いまこそ、Aimerを。
地声と裏声のスクランブル交差点ことAimerが、先日自身初となるオリコン1位を獲得しました。(2019年01月21日付 週間シングルランキング)
おめでとうございます。
1位を獲得したのは、1月9日リリースの最新作「I beg you /花びらたちのマーチ/Sailing」で、女性ソロシンガーが1位となったのは、2014年以来5年ぶりのようです。
https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2019-01-21/
最新作の感想は、例えばI beg youについては
ファンタジーの世界に迷い込んだかと錯覚するようなアラビアンな曲調の新鮮さや
PVに出演している浜辺美波、なんやその挑戦的な視線は
などなど言いたいことはあるのですが、それはまたの機会に。
今回はAimerの経歴と私が好きな曲を紹介します。
Aimerについて
幼い頃から親の影響で、常に音楽の流れる環境で育つ。
成長とともに、作詞や作曲を始めるが、15歳の時、喉の酷使が原因となって、突然声が出なくなる。
治療のため半年間、一切しゃべらずに過ごすこととなる。
回復後は声帯に負担をかけないような歌い方を目指した結果、現在の独特の歌声を手に入れる。
2011年Aimer(エメ)として、メジャーデビュー。
デビュー曲は「六等星の夜/悲しみはオーロラに/TWINKLE TWINKLE LITTLE STAR」。
2016年に4枚目のアルバム「daydream」をリリース。
ONE OK ROCK Taka、RADWIMPS 野田洋次郎、スキマスイッチの常田真太郎などが楽曲提供を行うなど豪華なアルバムとなった。
そして、2019年1月。
オリコン1位を獲得。
さらには全国ツアー(Aimer Hall Tour 18/19 "soleil et pluie")を無事終えるなど、その勢いはとどまるところを知らない。
一方で、声帯の傷は完治しているわけではなく、完治すれば現在の声質を失うことになりかねないので、常に喉をケアしながら現在の状態を保っている。
参考: Aimer Official Web Site | BIOGRAPHY、Aimer - Wikipedia
声帯が傷つき、声が出なくなってしまったことは本人にとって、非常につらい経験だったかと思いますが、客観的に見てドラマチックすぎやしませんか。
あのキング オブ スポ根マンガ「MAJOR」の茂野五郎も驚きを隠しきれないレベルのドラマチックさ。
私がブラッドリー・クーパーだったら「アリー/スター誕生」ではなく、「Aimer」という映画を作っていただろうレベルのドラマチックさ。
風が吹けば飛んでいってしまうような、過敏な思春期に声を失い、大好きな歌も失う。
そんな絶望の中、彼女はじっと沈黙をつづける。
長い沈黙の後、彼女は特別な「声」を獲得し、その「声」が今、人々を魅了する。
そんな映画が出来そうなレベルのドラマチックさ。
おすすめの曲
Aimerの魅力といえば、なんといってもその独特の声です。
その独特な声と、唄い方からAimerは
「地声と裏声のスクランブル交差点」
や、
「裏声の魔術師」
と主に私を中心に呼ばれています。
そんなAimerがその特徴的な声を最大限に発揮し、
マジシャンオブスクランブルファルセットと化すのが、「AM2:00」という曲です。
野田洋次郎プロデュース「蝶々結び」でも、内澤崇仁 (androp)プロデュースの「カタオモイ」でもなく「AM2:00」です。
この曲を初めて聴いたときは、好きな人に自分の気持ちを伝えられない女性の話かと思いましたが、
何度か聴いているうちに
繊細な彼女と無神経な彼の話のようにも聴こえてきました。
彼が放った無神経な一言が、彼女の中ではずっと引っかかっている。
彼女はその悩みを彼に打ち明けることも、何もなかったかのように無邪気に「そばにいたい」って言うことも出来ずにただただ眠れない夜を過ごす。
そんな切ない女性の心情を表現した歌詞と、地声と裏声のスクランブル具合がこれでもかというくらい絶妙にマッチする曲を、私は他に知りません。
1つ、また1つと歳をとるにつれ、新しいアーティストを聴くことが少なくなり、あの頃はもっといい歌手がたくさんいた、などと感じていませんか。
そんなあなたに。
いまこそ、Aimerを。
おわりに
aikoの「二時頃」といい、BENIの「AM 2:00」といい
午前2時に関する女性シンガーの曲は素敵な曲が多いです。
この時間帯の女性には、ほかの時間帯にはない何かが起こっているのでしょうか。。。
以上、「丑三つ時の女性には気をつけろ」という報告でした。